「出たら芽」動くんじゃない!…10(最終回)

時は2020年。

疫病を恐れる民は家に閉じこもった。

結城禿晴と対立していた今川義元も疫病を恐れて珠姫と茶々が暮らす小立野の天徳院に閉じこもっていた。

木村食之助に依頼していた曲も出来上がり、今川義元は戦のことも忘れたかのように歌を嗜んでいた。

木村食之助が今川義元に書いた曲のタイトルは、

「憧れの本能寺」
♪京の都で呑みましょう
♪三条辺りで呑みましょう
♪アイツが討たれた本能寺
♪でかしたでかした光秀よ
♪よくぞかたきを討ってくれた~

これを歌って平穏に
過ごしていた。

そんな時、結城禿晴は小立野に居た。

越前で流行させた尿道カテーテルの調子がどうもおかしい?

新しいのに取り替えるために医師、伊織の元を訪ねていた。

そして疫病と共存していかなくてはならなくなった時代に民が選んだのは尿道カテーテルだった。

今では越前だけでなく、全国で流行していた。

今では尿道カテーテルもダイソーなど百均でも取り扱うようになっていた。

そして今川義元と結城禿晴の仲も今では仲良くなり、新しい尿道カテーテルに取り替えた禿晴は帰りに今川義元がいる天徳院に足を運んだ。

禿晴は、
「おう、今川殿おられるか、いかがしておられる?」

すると天徳院で暮らす茶々が迎えて、
「おお、禿晴殿、よう来られた!どうぞどうぞ!今川さんは奥でお客様と歌ってられる!お上がりください!」

もうそこには昔の争いごとなど無かった。

禿晴は天徳院の奥にある部屋の扉を開けた!

なんとそこはカラオケルームになっていた!

防音されていた部屋の中の音が一気に禿晴の耳に飛び込んで来た!

なんとその曲は広瀬小立野守チャボの「コキ古希ポッキン70才」だった!

そしてそれを広瀬チャボ、今川義元、それだけでは無い!

織田信長、豊臣秀吉、徳川秀忠、明智光秀、斎藤道三が一緒に歌っていた!

この光景には禿晴も驚いた!

因縁があるヤツらが集って歌を歌っていた!

どうなっておるのだ?

そして禿晴も気がつけば広瀬チャボに誘われて一緒に歌っていた!

結城禿晴も調子にのり、「ずぼら」「ぼったくり」をみんなで歌って小立野の天徳院の奥のカラオケルームは超盛り上がっていた!

さて、その頃、天徳院の珠姫と茶々は別室に閉じこもって話しをしていた。

茶々が、
「珠ちゃん、こりゃあかんわ!やっぱり禿晴もマスクしてへんかったな。アイツもあかんな。」

珠姫が、
「アイツら三密どころかマスクもしとらんしヤバいよ!一気に片付けてしまおう!」

と何やら怖い会話を交わしていた。

この頃は疫病の感染を防ぐ為に民は必ずマスクをして人との距離もあけて暮らしていた。

しかし今川義元も広瀬小立野守チャボもマスクもせず、三密も守らす毎夜毎夜天徳院の奥のカラオケルームで宴を開いていた。

それに困り果てていた珠姫と茶々はなんとか手を打たねばと考えていたのだ。

そんな時に飛び込んで来たのが結城禿晴だった。

禿晴は尿道カテーテルを流行らせ、そちらに心を奪われてマスクもしていなかった。

その禿晴を見た茶々は、「コイツもか!」と思い奥のカラオケルームに誘ったのだ。

そして茶々が、
「馬鹿どもが揃った今、やるか!」

すると珠姫が、
「やるしかない!」

すると茶々が、
「コイツらをこのままのさばらせていたら民に迷惑がかかる。今が潮時ぞ、珠姫殿!」

二人は決心した。

そして茶々がついに電話をかけた。

かけたところは加賀の保健所だ!

茶々は、

「ここにクラスターが発生しています。マスクもせず、三密も守らす、毎夜カラオケに狂っている野郎どもがいます。症状も出ています!先程とんでもない辛いカレーを食べさせたところ、誰一人辛いと言わずにペロリと食べてしまいました!」

すると保健所の職員が、
「それは大変なクラスターだ!すぐに向かいます!」

と…。

今川義元は木村食之助がカップリング曲として書いた、
「桶狭間音頭」を歌って盛り上っていた。

それを織田信長も一緒に歌っていた。

明智光秀はこれまた木村食之助が書いた、「三日天下と呼ばないで」

そして広瀬チャボが「コキ古希ポッキン70才!」をこの日三度目を歌ってカラオケルームの盛り上がりは最高潮に!

その時だった!
いきなりカラオケルームの扉が開いた!
そしてマスク、防護服で装備した保健所の検査官たちが部屋に入り、

「只今より全員のPCR検査をします!そのままで動かないでください。」

と検査官の一人が言った。

そして結城禿晴がカラオケのデンモクに手を伸ばそうとしたその時だった!

保健所の査察官のボスの窓辺太郎が一喝した!

「動くんじゃない!」

[完]

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